QNAPのNASのコントロールパネルには「NTPサーバを有効にする」というオプションがあるのに,なぜかNTPサーバとして機能してくれなかったので設定してみました.

動作を検証したのは,TS-213+,ファームウェアバージョンは4.3.3.0277です.

このNASはネットワークインターフェイスを2つ持っているので,一方がクローズドネットワーク,他方がオープン系ネットワークの場合に,クローズドネットワークにNTPサーバを置くことができます.

ちなみに,SSH接続してコンフィグファイルを書き換える必要があるので,SSHの接続方法とviの使い方が分かる方のみ参考としてください.また,ファームウェアバージョンが異なる場合も,この記事通りにはいかないかもしれません.

また,本記事はQNAP社の想定していない設定変更の可能性がありますので,後日のファームウェアアップデート等で不都合・不具合が生じる可能性があります.予めご了承ください.

 

 

webインターフェイスにログインし,「コントロールパネル」を開くと,「アプリケーション」のカテゴリに「NTPサービス」があります.

 

「NTPサーバを有効にする」にチェックを入れ,「適用」を押すと,有効にはなるものの,

 

他のWindows PCから「インターネット時刻設定」で当該NASのIPを入力して「今すぐ更新」を押しても,同期しません.

 

仕方ないので,SSH接続してみます.(SSHの接続設定が必要です.設定方法は他のドキュメントを参照してください.)

さて,どうやらQNAPのntpdは/etc/config/ntp.confを見に行っているようなのですが,このファイル,ntpdの起動毎に書き換えられている模様ですので,書き換えている本人である/etc/init.d/ntpf.shをviで直接書き換えます.

書き換え箇所は,以下の2点です.

【13行目に追加】echo “restrict 192.168.1.0 mask 255.255.255.0 nomodify notrap” >> $NTP_CONF
※「192.168.1.0/24」のネットワークからの問い合わせを許可,必要に応じて変更,また複数指定可.

【73行目に追加】echo “server ntp.jst.mfeed.ad.jp” >> /etc/config/ntp.conf
必要に応じて「time.nict.jp」や「time.nist.gov」等も追加推奨.

 

書き換えが終了したら,webインターフェイスに戻って「NTPサーバを有効にする」のチェックを外し,「適用」を押します.

また,再度 「NTPサーバを有効にする」のチェックを入れ,「適用」を押します.

 

 

SSHのコンソールに戻り,ntpq -pを実行すると,以下のように表示されます.下2行の左側に「*」や「+」が表示されていないことを確認し,5分から10分ほど待ちます.

 

再度ntpq -pを実行すると,以下のように表示されます.

 

他のWindows PCから「インターネット時刻設定」で当該NASのIPを入力して「今すぐ更新」を押すと,正常に同期されました.

 

 

この記事を作成した際には特段のセキュリティを設定しない状態で検証しましたが,何かしらのセキュリティを設定している場合には正常に動作しない可能性があります(未確認).